「セラピーキャット」ってご存知ですか?セラピードッグはよく耳にすると思いますが、猫もまた、猫だけが持つ能力で人間を癒やしてくれるのです。セラピーキャットとは、日本では主に『動物介在活動』、『動物介在教育』として、特別養護老人施設や介護施設、病院、児童福祉施設、学校などでセラピストとして活躍する猫ちゃんです。

動物介在活動』とは、動物のもつ温もりや優しさに触れて、生活の質(QOL : Quality Of Life)の向上を目的としている活動です。日本で行われている「アニマルセラピー」の大半はこの動物介在活動に分類されます。人に教育・社会的、情緒的な恩恵を与えながら、レクレーション的な要素も併せ持つ活動です。

動物介在教育』とは、子供が言葉を介さない動物と関わることによって、結果的に他者への思いやりや優しさ、友達との気持ちの共有、個性や生きる力が引き出されることを期待されている活動です。命に対する思いやりや責任感の内的成長を促したり、コミュニケーション能力を養ったり、子供達の精神的な拠り所となり結果的に学習意欲の向上に繋がったり、動物虐待を防ぐことも目的とされています。

動物と触れ合うことで、「幸せホルモン・愛情ホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」を含むホルモンが分泌され、心身の健康の回復に役立つ事が確認されています。
ストレスの軽減、癒やし効果、その他、動物の世話をすることで自信を持たせたり、生きる意欲を高めたりといったQOLの向上も認められています。
心が優しくなったり、希望が出てきたりするだけでなく、楽しんでできるリハビリテーションにもなっています。

また、猫との触れ合いがもたらす効果として、血圧の安定や血圧を下げる作用、猫のゴロゴロという約20〜50ヘルツの低周波音で、免疫力の向上、ストレスの軽減、自然治癒力の向上が確認されています。猫って…..凄いですね!!

セラピーキャットのまーちゃん。

セラピーキャットのまーちゃんは、少し特別なセラピーキャット。徳島県に住む、2歳の女の子です。(2019年2 月現在)
現在、徳島県内の高齢者施設や病院、計6施設を代わるがわる、月に2〜3回セラピードッグ達と訪れています。

まーちゃんは、とにかく好奇心旺盛でお世話好き。人も犬も猫も大好きです!すぐに友達になろうとする、優しくフレンドリーな猫ちゃんです。

人の膝の上に乗って優しい気持ちにしてくれたり、シルバーグレーのふわふわで綺麗な毛並みと、透き通るような水色の目、まったりとした穏やかな雰囲気は、人を笑顔にして癒やしてくれます。高齢者施設や病院に入居・通院されているみなさんも、まーちゃん達に会うのが楽しみで、心待ちにしてくれているそうです。

まーちゃんが特別な所以は、人だけでなく、自分から怖がる保護犬・保護猫にそっと近づいて寄り添い、まるで「大丈夫だよ。怖くないよ。」と言っているかのように、ペロペロと舐めて落ち着かせ、安心させてあげるところです。
筆者の愛犬も保護犬なのですが、それはそれは臆病な子でした。初めて会った時、見知らぬ私に抱っこされ恐くてブルブル震えていた愛犬に、まーちゃんは優しく寄り添って舐めてくれました。今も初めての人や場所に対して怖がりますが、まーちゃん達アニマルセラピストのおかげで、猫も犬も大好きです。

飼い主の石川さんと一緒に、緊張している子犬のケアをするまーちゃん。
この子犬は後に筆者の愛犬となります。
子犬のお世話中。

後編は2/20(水)アップ予定です。お楽しみに。

まーちゃんの飼い主、石川さんが代表理事を務める
動物愛護協会PHILIA-NET(フィリアネット)
https://philianet.wixsite.com/philia-net
セラピーキャットのまーちゃん − 前編 −